田園都市の快適な時間

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1 成城の景観の風雅

多摩川東岸の国分寺崖線と呼ばれる河岸段丘上にある住宅地成城
この特徴ある立地のよさを生かした建築になるように計画しました。

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西脇順三郎 多摩川風景(1940)

ノーベル文学賞の候補にもなった詩人西脇順三郎は成城の地を好み
成城在住の民俗学者・柳田國男を訪ねることもありこの辺りの散策を楽しんだといいます。

「武蔵野の風情としてはこの成城を中心にした一帯の地域を私の最も敬愛するものとしていた」
(西脇順三郎 『メモリとヴィジョン』より)

西脇は経済学部の卒業論文をラテン語で書き、また英文学者、そして著名な詩人と
今でいうマルチタレントでしたが、絵も堪能でした。


上層階から南西方向を見る

昔日の景観をイメージするとさらに興趣の深まる多摩川方面の眺望

 


上層階リビングダイニングからの眺望

 

時が移り夕刻になると西方の富士がくっきりと見えてきます


上層階からの富士の夕景

 

日が落ちると美しい夜景を見ることができます


リビングから二子玉川方面の夜景をたのしむ

 


外部テラスの夜景

 


伝 牧渓 遠浦帰帆図(13C)

「庭の隅人知れず/岩のほろほろと/こぼれる/秋の日/牧渓の横物をかけ」
(西脇順三郎 『旅人かえらず』より)

 
国分寺崖線上の傾斜地                西脇順三郎 成城の下の谷(1950年代)

「成城の西側の山の傾斜はすばらしい。松はターナーが伊太利風景に描いたようなものが多く見られる。
その緑の色彩は実に美しいものだ。岩を露出した斜面の崖もすばらしい。」
(西脇順三郎 『メモリとヴィジョン』より)

 

 

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2 店舗の前庭

駅からの動線上で自然な感じで店舗に入れるように
階段の幅や勾配、開口部の大きさを検討し
そこに植栽や壁泉
でアクセントをつけました。

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2階店舗前の屋上庭園テラスと3階への階段


南への視野が開け明るく広がりのある屋上庭園空間になっています

階段は国分寺崖線の傾斜地を想起させます

植栽は2本の中木がシャラとシマトネリコ
足元の潅木は上段がシルバープリペット、下段がヒペリカムヒデコート
屋上緑化で土壌が乾燥しやすいので自動灌水装置を設置しています


同上 夕景


昼間とは違った華やかさがあります

 


同上 見下ろしたところ


周囲のネットフェンスにはつる性の植栽が施してあり壁面緑化になる予定です
つる性植物は正面がツルハナナス、右面がカロライナジャスミンで
ともにフェンスにからみ登攀する性質を持っています
また ヘデラを混ぜていますので下にさがる緑も楽しめます

 


2階店舗前テラス付近の夜景


同上 上階への期待感をかもし出すゆったりとした階段

 

 

 


店舗側外観はライムストーン調の柔らかい雰囲気の外壁を黒のサッシで引き締めています。

 

 


変化にとんだ外観が店舗としての賑わいを演出しています

 


内外部を融合させた使い方ができるようしつらえた2階店舗前

 


アルミサッシはH型鋼の形状のものを採用しました

 

 

 

 


壁はライムストーン調の大版タイル、
植栽はシマトネリコ、オリーブ、アガパンサス、ハクリュウ

テラスの俯瞰↑↓

 


光と影のもたらす立体感


せっ器質タイルの上層階とライムストーン調の低層階の壁の対比


店舗の専用バルコニー

 

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3 敷地内の植栽

共用部分には1階はもとより2階のテラスにも植栽を施し
四季折々の緑・花・紅葉が楽しめるように計画しました。

2階の屋上庭園は自動灌水装置が設置してあります。

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シャラの黄葉


シマトネリコ


ヒペリカムヒデコート


オリーブ


シャラ


フイリサカキ


ツルハナナス


カロライナジャスミン


ヘデラヘリックス


シルバープリペット
ヒペリカムヒデコート


シマトネリコ


シマトネリコ(交差点付近)

 


壁泉廻り ハクリュウ、ヘデラ、手前にオリーブ

 

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4 外観

共同住宅側の外観はせっ器質タイルを中心に
年月を経て味わいの出る仕上げと彫りの深い形態を目指しました。

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南西側外観


頂部の構成


ボーダーでアクセントを付けています


せっ器質タイルに骨材入り目地を幅広に塗りざっくりとした風合いをかもし出しています


階段室のアルミルーバーは太いものと細いものを組み合わせリズムを出しています



ステンレスによる銘板

 


壁泉吐水口

 


石調タイルによる階段

 



北西側外観

 

 

 

 

 

 


南東側外観

 

 

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5 共同住宅エントランス

店舗のエントランス周りが石調なのに対し
住宅のエントランスは塗り壁で柔らかさを出しました

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塗り壁のエントランス

 


エントランスアプローチ

せっ器質タイルと塗り壁のコンビネーション

 


建物の中心を意識させるライムストーンの壁を挿入

 


間接光で柔らかいイメージのホール

 


ライムストーンの詳細

 


エレベーターホール

世田谷区環境表彰受賞楯


塗り壁の詳細

 


塗り壁をくりぬいたような照明

 

 

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6 住宅のインテリア

住宅は内部は造作材・床・天井・家具の仕上げとしてブナ材を使用して
自然で柔らかいインテリアとしています。

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壁天井はクロスの上に塗装をかけ自然な風合いに仕上ています。

 


同上 昼間

 

 


和室の造作は杉を使用しています

 


南西方向の障子

 


和室の開口部を通して見る富士

 


和室の天井は杉柾と網代

 


玄関ホールから居間にかけての天井の納まり

 


ペットの足洗い場が玄関脇に設置されています

 


ブナ材を使用した框ドア
ガラスは和紙を挟み込んだ合わせガラス
ガラス押さえはスチールプレートです

 


厨房

 


テラスから見える青空

 

 

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7 ワンルームフロア

 

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廊下からルーバー越しに見える景色

 


賃貸共同住宅の廊下としてはゆったりとした幅を確保しています

 


ルーバー越しの夜景

 


すっきりした印象の賃貸住戸玄関


建具枠を壁の中に隠しすっきりした納まりにしています

 


ワンルームにし広がりのある洗面WC

 


賃貸住戸も天井に木を使い柔らかなイメージの部屋としています

 

 


廊下側から見る夜景

 

 

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