眺望の良い斜面に建つ本社・ゲストハウス


現代ヴィラの試み


テラスからの風景

 

 
緑地から見た建物(中央の白い建物)と植え込まれたアジサイの群生
川崎の市街に向けての眺望が開けており、かたや斜面の山側にはうっそうと茂る木々の緑

 

 

玉村豊男さんが自身の果樹園のことを書いた「種まく人―ヴィラデスト物語―」には、
そのヴィラの立地のイメージとして
「南に広く開けた斜面。
遥かに山を望み、眼下に街を見下ろす。
そして丘の上には果樹が繁り、季節にはたわわに果実を実らせる。」
と書いています。


「種まく人―ヴィラデスト物語―」

ヴィラというと別荘を思い浮かべますが、ここでいうヴィラは休暇を楽しむ避暑地の別荘というような場ではなく、葡萄畑などの農地の管理施設のような存在です。
川崎市高津区のこの場所は眼下に街を望む眺望のよいところで、斜面の上にはバラやアジサイなどの咲き乱れる場所でありながら、精密機械工具を製造する会社の本社、熟練の技の生きている製品を出荷する場所でもあります。


イタリアのヴィラ断面

 

眺望のよい斜面の緑地であり、生産を司る場でもあるという条件にヴィラの考え方を重ね合わせました。

 


建物前庭のシマトネリコ


ヤマボウシ、ビヨウヤナギ、フッキソウ

 

バス通りから少し上った通りから良く見える場所にあり、建物の形や色彩が控えめでありながら広告塔的な効果をもつように近隣にはない円形の外観と白いタイルとしました


東側立面

道路からの夜景


西側立面

 

1階エントランスから入ると正面のガラス越しに斜面の形とその上の緑が視野に飛び込んできます。

 

そして2階の事務室へ誘い込むゆったりとしたシースルー階段。

 

階段のディテール

 

階段を上った先には大きなガラスを通して住宅への階段と隣地の畑が見えます。

 

その道行きの途中には強化ガラスのショーケースが壁面をえぐって埋め込まれています。
ハロゲンランプに照らし出されたこの企業の超高硬度の金属商品がとてもきれいに宝石のように輝いています。

 

 

本社事務室

落ち着いた色のフリーアクセスフロアに緑を基調とした配色で柔らかな雰囲気を演出

 

 

会議室は事務室と異なり木質調床仕上げとし
窓外の緑と相俟って気分を変えて打合せが出来るようなしつらえとしました。

 

 

2階から3階への階段は上部にハイサイドライトが設けられ、上階へとスムーズに動線を導いていきます。

 

 

3階のゲストハウスは眺望を生かした居間と
反対側の斜面の緑を楽しむ和室とを
自然な形で動線として結び合わせています。

 

ゲストハウス・エントランス

 

リビング・ダイニング

 


 

 

 

 

LDからつづく和室リビングからのつながりを保つため引込の襖としています。
また、洋室から和室へ移行が自然になされるよう
つなぎの部分の建具を枠なしにし、壁や襖の色調もLDに揃えました。


和室の外のテラスを通して緑地が見える

 

 

 

 

和室から見える緑地


西側立面

 

 

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